古里だより

古里だより 長月(三)


「教科書で読んだ井上靖」展、はじまりました

2017/9/22更新



生誕110年記念 大人も子どもも!「教科書で読んだ井上靖」展がはじまりました。
本展では、これまで教科書に掲載された様々なことばや実際の教科書を紹介しています。

「西岡屋」のモデル・西村屋

また、井上靖の小学校時代の成績表や、『しろばんば』に登場する先生たちの記録など、珍しい資料を展示中。

「西岡屋」のモデル・西村屋

作品にまつわる「さわる」「きく」「かぐ」コーナーと、好きな色から選ぶ「ことば札」もありますので、ぜひ遊びにいらしてください。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋

書籍「教科書で読んだ井上靖」を販売中です。

「西岡屋」のモデル・西村屋


「教科書で読んだ井上靖」展
会期:2017年9月21日(木)~2018年9月25日(火)
協力:静岡県総合教育センター・伊豆市教育委員会・井上靖ふるさと会
後援:一般財団法人 井上靖記念文化財団




古里だより 長月(二)


フルートの調べ ミニコンサート

2017/9/22更新



少しずつ秋らしい風を感じる季節。
「五感であそぶ井上靖の世界」展の関連イベントとして、「フルートの調べ ミニコンサート」を開催しました。

演奏はフルートトリオLeafの皆さん。
2014年に井上靖追悼「あすなろ忌」で演奏の機会があり、今回は文学館では初めてのコンサートです。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「星に願いを」「サウンド オブ ミュージック」のような名画の一曲から、「赤とんぼ」「小さい秋 見つけた」「もみじ」といった秋のうた、井上靖にまつわる「しろばんばの唄」「舟唄」などを演奏してくださいました。
子どもから大人まで幅広い年代の方が参加。
フルートのあたたかな響きが重なって、館内に広がっていきました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「しろばんばの唄」は、平成6年、旧天城湯ヶ島町(伊豆市)が歌詞を公募したもので、湯ヶ島の夕刻を告げるメロディーとして今も親しまれています。
また、「舟唄」については、1970年代、井上靖がNHKシルクロード取材班と敦煌を訪れたとき、偶然ラジオで流れていた「舟唄」を聴いて、井上靖が「歌詞がいいね」と言ったエピソードを紹介しました。

これからも文学を気軽に楽しめるような催しを開催していきたいと思います。



古里だより 長月(一)


「教科書で読んだ井上靖」展

2017/9/4更新



この秋、生誕110年を記念した企画展「教科書で読んだ井上靖」展を開催いたします。

これまで教科書に掲載された作品、そのメッセージを紹介するとともに、井上靖の小学生時代の資料(成績表など)を展示します。
あなたが読んだあの作品にまた出会えるかも!

「西岡屋」のモデル・西村屋

「教科書で読んだ井上靖」展
会期:2017年9月21日(木)~2018年9月25日(火)

協力・静岡県総合教育センター・伊豆市教育委員会・井上靖ふるさと会
後援・一般財団法人 井上靖記念文化財団




古里だより 葉月(二)


生誕110年記念書籍

2017/8/22更新



生誕110年記念書籍「教科書で読んだ井上靖」を9月に刊行します!

1960年から現在まで約50の作品が教科書に掲載され、多くの子どもや生徒が教科書を通じて井上靖の作品と出会いました。
その中から22作品を選定し、1冊の本を作りました。

「西岡屋」のモデル・西村屋


書名:「教科書で読んだ井上靖」(編集・発行・井上靖文学館)
発行:2017年9月5日(火)
内容:
1・「教科書に掲載された井上作品」
(小学校から高校まで、詩、小説、随筆の22作品)
2・掲載教科書一覧表
3・解説「井上靖と国語教科書」勝呂奏(桜美林大学教授)
仕様:四六判、192ページ
価格:1,000円+税
部数:1,000部限定
デザイン:木村美穂(きむら工房)

○静岡県内の取り扱い店舗
戸田書店:函南店、掛川西郷店、リブレ裾野店、富士店、江尻台店、藤枝東店、富士宮店、御殿場店、静岡本店
長倉書店:サントムーン店、修善寺店
マルサン書店:仲見世店
サガミヤ書店:広野店、デュオ店
クレマチスの丘:NOHARA BOOKS、TREEHOUSE、当館

○県外で購入希望の方は、当館(電話055-986-1771)までご連絡ください。
指定の口座にお振込みいただき、確認後、発送いたします。

この書籍とあわせて、9月21日(木)より「教科書で読んだ井上靖」展を開催予定です!

最新情報は井上靖文学館facebookをご覧ください
https://www.facebook.com/inoue.yasushi.museum




古里だより 葉月(一)


夏のワークショップ

2017/8/11更新



今年の夏のワークショップは「水彩ぬりえにちょうせん!」と「豆本を作ってみよう!」を行いました。

初回の「水彩ぬりえにちょうせん!」は、当館のケイカの花や「まんがで読む井上靖」を手掛けてくださっている絵本作家の江頭路子さんを講師に実施しました。
透明感あふれる絵を描く江頭さん。この日のために『しろばんば』の川遊びの場面を特別に描いていただきました。


洪作はすぐ真っ裸になって瀬へ飛び込み、浅いところでばちゃばちゃやった。淵は深くて背が立たないところがあった。洪作が来たことで、幸夫も芳衛もまた瀬へ飛び込んで来た。洪作たちは何回も水を浴び、何回も冷えた体を石に当てて背を干した。子供たちは石で体を温めることを甲羅を干すと言った。実際に河童が甲羅を干すのに似ていた。
『しろばんば』より


まずは江頭さんのお手本。
水の流れている部分にクレヨンで流れを描き、マスキングします。
そのあと、塗る場所に水をのせてから、薄く絵の具で塗っていきます。

「西岡屋」のモデル・西村屋

では、本番のはじまり。
川を想像しながら、着色していきます。色を試しに塗ったり、重ねていったり・・・

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋

それぞれの夏の風景ができあがりました。

「西岡屋」のモデル・西村屋


8月は「豆本を作ってみよう!」を開催しました。
小さな小さな豆本ですが、表紙、見返し、本文、花切れ、ひも(スピン)をつくるので、本と同じ構成になります。

本文を折り、見返しを貼り、表紙を作ります。
表紙の紙とひもは、参加者それぞれ好きなものを選びました。
表紙は厚紙を入れるので、ハードカバーのようなしっかりした堅さに。ひも、花切れを貼り付け、最後に本文と表紙を付けたら完成!

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋

本がどんなふうに作られているのか、作りながら仕組みが分かります。
参加者手のひらに載せて撮影。

「西岡屋」のモデル・西村屋




古里だより 文月(三)


夏休みの子どもたちへ

2017/7/27更新



井上靖生誕110年。
この夏、当館では、小中学生向けのパンフレット「井上靖 ふるさとのことば」と「井上靖ってどんなひと?」を作成しました。
子どもを対象にした案内は初めての試みです。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「井上靖 ふるさとのことば」は、作家の紹介とともに、短い詩を四つ掲載しました。
掲載した詩「千本浜」や「地球上で一番清らかな広場」は、この地域が舞台になった作品です。
文学館のある長泉町の小中学生や三島市の小学生へ配布しました。

「千本浜」
千本の松の間に千個の海のかけらが挟まっていた。
少年の日、私は毎日それらを一つずつ食べて育った。

「井上靖ってどんなひと?」は、来館した子どもたちへ渡すパンフレットです。
『しろばんば』や『あすなろ物語』にまつわるクイズに答える、書き込み式になっています。

「西岡屋」のモデル・西村屋

パンフレットは、文化庁の「地域の核となる美術館・博物館支援事業」によって作成しました。
絵本作家の江頭路子さんによる、かわいらしいイラストも必見です。

「西岡屋」のモデル・西村屋

時を同じくして、クレマチスの丘で開催中の「木」をテーマにした企画展をめぐる「木のたんけんノート」もスタートしました。
ヴァンジ彫刻庭園美術館、ビュフェ美術館、井上靖文学館のスタンプを集めながら、紹介されている木や、身のまわりの木々について考えてみませんか。




古里だより 文月(二)


夏の100冊!

2017/7/8更新



7月に入り、夏休みが近づいてきました。
全国の書店では恒例の夏フェアを開催中ですね。

「西岡屋」のモデル・西村屋

今年は、「新潮文庫の100冊 2017」に『あすなろ物語』が選ばれました。
新潮文庫ベストセラー20位にもランクインしています!
井上靖の作品と出会うきっかけとなりますように。

最新情報は井上靖文学館facebookをご覧ください
https://www.facebook.com/inoue.yasushi.museum




古里だより 文月(一)


井上靖命名のBar

2017/7/8更新



東京都中央区日本橋。東京駅八重洲口から歩いて数分のところに、井上靖が命名したバー「ぺしゃわーる」があります。

「西岡屋」のモデル・西村屋
昼間は喫茶店、19時からバーになります。

オーナーが井上靖と親しく、1978~79年頃に命名してもらったそうです。
「以前は銀座にあり、その頃は漢字だったが、読むのが難しいという理由で現在の平仮名になった」とのこと。
オーナーは若い頃に井上と知り合い、ずっと交流が続いたそうです。

「旅」

毎年、年の初めに旅の計画を樹てる。

一九七六年は 布路沙布邏(ペシャワール)。

クシャン王朝の夏の都。
柘榴(ざくろ)の木の多い町。
アレキサンダーが午睡をとった城市。

そこの丘陵の斜面にあるホテルの一室で、
私は、東京に居るもう一人の私に、
未解読の孑孑(ぼうふら)のような文字で、
絶縁の手紙を認めたいのだ。

1976(昭和51)年1月、日本ペンクラブ「PEN」へ発表。詩集『遠征路』収録。

「西岡屋」のモデル・西村屋

店内に飾ってある「旅」という詩の原稿。書斎で書いたものをいただいたそうです。
井上は1978(昭和53)年10月にパキスタンの街、ペシャワールを訪れています。

オーナーの方と、好きな作品だという「星と祭」や「グウドル氏の手套」の話、思い出話を聞くことができました。
この日は、「コーヒーがおいしいからおすすめ」ということで、ウォッカベースでコーヒー風味のブラックルシアンをいただき、家路へ。

みなさんも文豪ゆかりのお店に足を運んでみませんか。




古里だより 水無月(四)


まんがで読む井上靖~第五話~

2017/6/24更新



生誕110年記念「まんがで読む井上靖」
第五話「靖、文学に目覚める!」沼津編完結です。


「西岡屋」のモデル・西村屋




古里だより 水無月(三)


金時娘と「山の少女」

2017/6/24更新



初夏の風が爽やかな六月初旬、金太郎伝説で知られる金時山へ出かけました。
金時山は、神奈川県足柄下郡箱根町、南足柄市と静岡県駿東郡小山町の境に位置し、標高1,213メートル。
山頂には二つの茶屋があり、その一つ、金時茶屋の看板娘である「金時娘」は、井上靖の短編小説「山の少女」に登場します。
1952(昭和27)年の新緑の頃、井上靖は、金時山の麓である箱根町仙石原の旅館で、「金時娘」こと・小見山妙子さんに会いました。翌日、金時山へ登り、取材。その年の11月、『改造』に短編「山の少女」を発表したのでした。

<あらすじ>
私は若い新聞記者から山頂で一人生活している山の少女・小早川那美子の小説の原稿を預かった。
この作品は本当に山の少女が書いたものだろうか?
新聞記者と私は山頂の茶屋を目指して登り始める……

山を降りると天気の予想がつかないで不自由だという。山頂に居る限りでは、めったに晴雨の判断を誤ることはない。丹沢山地から吹いてくる東北の風か、富士の方から吹いてくる北西の風の場合は必ず半日もしないうちに雨は上がる。またどんなに快晴であっても駿河湾、相模湾の方から吹いてくる南西、東南の風だと、雨か曇りになる。
秋から冬にかけて、丹沢の方に狐火が見える。数珠のように橙色の火が一列に並んで、ゆっくりと移動して行く。
流れ星は必ず駿東郡東部の河洲に落ちる。


「西岡屋」のモデル・西村屋
前回は金時神社から登りましたが、今回は足柄峠から歩きます。足柄駅の金太郎。

箱根笹と熊笹の原が長いこと交互に続いて、初めはゆるやかな上りだったが、そのうちに道の勾配は次第に険しくなり、それにつれて路面に岩石が露出して歩きにくくなった。私たちは途中で幾組かの若い男女の登山者たちと行き違った。山桜の造花のような白い花が所々の藪蔭に咲いていて、鶯の鳴き声が時々斜面の下の方から聞えて来た。


「西岡屋」のモデル・西村屋
足柄峠から富士山を見ながら。

「西岡屋」のモデル・西村屋

私たちが昨夜止まった仙石原は眼下にあった。そして仙石原を囲む幾つかの小高い山も丘陵もこの高処から見ると、一様にその高度を失って仙石原をそのうちに包んだ大きい平坦な原野に見えた。右手の方は私たちの坐って居る山の続きである外輪山が蜿蜒として大きくその原野を抱くように迂回して、遠くの蘆ノ湖は小さい水溜りといった貧しい感じだった。

「西岡屋」のモデル・西村屋
芦ノ湖を遠望

「西岡屋」のモデル・西村屋
山頂の金時茶屋

「いまはカンコが出ているの。味噌汁の中へ入れると美味しいわ。大抵毒消しに油を一、二滴入れるの。来月からは、チイタケ、ホウキタケ、鼠タケ」
そうした山の生活に必要な知識を、彼女は、小学校の六年生の時亡くなったという富士山の強力だった父親から、教わっているようであった。
彼女は父親が亡くなる前に、父母や兄妹たちと一緒に一家五人で山に住んだことがあり、幼時の、その時の山の生活の楽しさが忘れられないで、二十三年四月から一人でこの山の生活を始めたということだった。


「西岡屋」のモデル・西村屋
「山の少女」のモデル小見山妙子さん
1933(昭和8)年生まれ。14歳から茶屋の切り盛りをするようになったそうです。彼女の父は有名な強力(ごうりき)で、新田次郎の直木賞受賞作「強力伝」のモデルです。

妙子さんは金時茶屋で、いまも、息子の秀峰さんと登山者をもてなしています。
「井上先生は小説のなかでよく書いてくれています」と笑顔を見せてくれました。




古里だより 水無月(二)


新しくなりました!

2017/6/11更新



開催中の「五感であそぶ井上靖の世界」展にあわせて、文学館の入口が変わりました。
井上靖が愛用した満寿屋の原稿用紙とモンブランの万年筆を大きく掲示し、撮影スポットを作りました!
館内は撮影できませんので、ぜひ玄関で記念撮影を。

「西岡屋」のモデル・西村屋


これまで古書 大雄峰(東京)と、英文堂書店(沼津)から寄贈の書籍を閲覧書籍コーナーへ設置していましたが、新たに関係者から寄贈いただき、閲覧書籍が増えました。
初版本、絶版となった単行本、文庫本、関連書籍など多彩なラインナップです。
昔の本の風合いや装丁は味わい深いですね。

「西岡屋」のモデル・西村屋


「五感であそぶ井上靖の世界」展では、作品にまつわる様々なものをみる、きく、さわる、かぐ、味わうといった感覚で、気軽に親しめる展示となっています。
その中で、一番人気なのが「ことばくじ」!
井上靖の100のことばをくじにしたもので、何が出るかはお楽しみ。詩、エッセイ、小説の一節を当館スタッフが選定しました。
くじはおひとつ持ち帰ることができます。
どんなことばが出るでしょうか?

「西岡屋」のモデル・西村屋


「まんがで読む井上靖」ほか、最新情報はfacebook「井上靖文学館」をご覧ください。
https://www.facebook.com/inoue.yasushi.museum




古里だより 水無月(一)


子どもたちと「地球上で一番清らかな広場」

2017/6/11更新



先月、出張授業へお邪魔した伊豆市立天城小学校5年生の皆さんが文学館見学に来てくれました。
出張授業では、「井上靖ってどんな人?クイズ」や、天城の子どもたちへ贈った詩「地球上で一番清らかな広場」について、みんなで考えながら読みました。
この日は、伊豆の踊子の冒頭部分と、「地球上で一番清らかな広場」を暗唱し、そのあと館内を見学しました。

「地球上で一番清らかな広場」

地球上で一番清らかな広場。 北に向って整列すると、
遠くに富士が見える。
廻れ右すると天城が見える。

富士は父、天城は母。
父と母が見ている校庭で
ボールを投げる。

誰よりも高く、美しく、
真直ぐに、天にまで届けと、
ボールを投げる。



「前日の野外学習でおぬい婆さんのライスカレー作ったよ!」
「しろばんば、この間もいたね」

「西岡屋」のモデル・西村屋

「自由に書いていいよ」と渡した紙に、こんな句を書いた子も。

「西岡屋」のモデル・西村屋
「しろばんば どこからくるの しろばんば」
天城の夕刻を告げる「しろばんばの唄」の一節を思わせますね。

団体見学や、学校の児童・生徒の皆さんの来館もお待ちしています。
簡単な解説など、希望によって案内の対応もできますので、お気軽にご一報ください。




古里だより 皐月(四)


まんがで読む井上靖~第四話~

2017/5/27更新



生誕110年記念「まんがで読む井上靖」第四話。
湯ヶ島を旅立って、青春放浪の中学編です。

画:江頭路子(えがしら みちこ)
監修:井上靖文学館

「西岡屋」のモデル・西村屋




古里だより 皐月(三)


新商品、オリジナルグッズ!

2017/5/27更新



当館オリジナルグッズ、瓊花(けいか)の香り付きしおりを好評販売中です。
小説「化石」の一節を抜粋。1枚50円。
瓊花の絵は、絵本作家の江頭路子さんによるものです。

「西岡屋」のモデル・西村屋


川端康成、井上靖、司馬遼太郎…
多くの作家が愛用する満寿屋の原稿用紙がミニメモ帳になりました!
ハガキサイズで1冊250円。メモとしても、一筆箋としても使えます。
現在、井上靖が愛用した緑の罫線の原稿用紙を展示中ですので、ぜひご注目ください。

「西岡屋」のモデル・西村屋


生誕110年を記念して、藤澤全氏(元・日本大学教授)の研究書「井上靖『猟銃』の世界」が刊行されました!
「猟銃」は、三人の女性の手紙から一人の男の姿が浮かび上がる、初期の短編小説。伊豆市の滑沢渓谷や熱海が舞台として描かれています。
昨春には、中谷美紀主演舞台として再演されました。

書名:「井上靖『猟銃』の世界」
著者:藤澤全(ふじさわ・まとし)
発行:2017年4月、大空社出版
仕様:四六版・並製・169ページ
定価:1600円+税

「西岡屋」のモデル・西村屋


そのほか、当館発行の「井上靖童話」や井上靖の文庫本、関連書、書店では手に入らない研究書、『しろばんば』に登場するお菓子まで、幅広く取り揃えております。

最新情報はfacebook「井上靖文学館」をご覧ください。
https://www.facebook.com/inoue.yasushi.museum




古里だより 皐月(二)


新しいパンフレット、新しいことば

2017/5/13更新



当館のパンフレットは四種類あり、それぞれ別のことばを掲載しています。
前回は「富士山」をテーマにした四種類でしたが、今月半ばから「若き日の井上靖」をテーマとしたパンフレットとなります。
今回掲載の作品は、詩「瞳」「友」「野分(一)」と小説「通夜の客」の一節です。


「瞳」

七歳ごろであったろうか。明るい春の、風の強い日、私は誰かに背後から抱いて貰って、庭の隅の古井戸を覗き込んだことがある。苔むした古い石組と生い茂った羊歯(しだ)、ひやりとする冷たい空気、地上から落ち込んだその方形の空洞の底には、動かぬ水が銹びた鏡のように置かれてあった。思うに、私の生涯に大きい関係をもつ何ものかが、初めて私の軀(からだ)の中に這入り込んできたのはその時であった。


「西岡屋」のモデル・西村屋


ささやかな言葉のお土産をお持ち帰りください。




古里だより 皐月(一)


出張授業「出発」

2017/5/13更新



昨年に続き、伊豆市立天城小学校5年生・6年生と、三島市立坂小学校6年生の出張授業を行いました。
学校図書の教科書『「国語」6年 上』の巻頭を飾る詩「出発」。一昨年、井上作品が10年ぶりに教科書に登場したことを契機に、学校へお邪魔しています。

天城小5年生への授業は今年が初めてです。これから地域学習が始まるということで、「井上靖ってどんな人だろう」、「天城とどんなつながりがあるのかな」という話をしました。
さらに、天城の子どもたちへ贈った詩「地球上で一番清らかな広場」をみんなで考え、朗読しました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「地球上で一番清らかな広場」

地球上で一番清らかな広場。 北に向って整列すると、
遠くに富士が見える。
廻れ右すると天城が見える。

富士は父、天城は母。
父と母が見ている校庭で
ボールを投げる。

誰よりも高く、美しく、
真直ぐに、天にまで届けと、
ボールを投げる。


天城小と坂小の6年生の授業では、「出発」がどんな場面か想像したり、繰り返し使われている言葉を探しました。
また、詩「出発」と同じく、マラソン競争の場面が描かれている『しろばんば』の一節を読み比べました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

文学館は、未来を担う子どもたちと、読書の楽しみや、地域学習の時間を共有したいと考え、今後も出張授業や出前講座を続けてまいります。
出張授業、団体見学などの希望がありましたら、ぜひご一報ください。

最新情報はfacebook「井上靖文学館」をご覧ください。
https://www.facebook.com/inoue.yasushi.museum




古里だより 卯月(四)


瓊花(けいか)まつりと生誕記念日

2017/4/23更新



遣唐使たちの運命を描いた小説「天平の甍」にちなみ、2013年に植樹した瓊花(けいか)の花。
今月下旬の見ごろに合わせて、瓊花(けいか)まつりを開催いたします。
また、110回目の生誕記念日5月6日(土)は入館料無料となります。


【第4回 瓊花(けいか)まつり】
とき:4/29(土)~5/7(日)
当館オリジナルグッズ、瓊花の香り付きしおりを発売します。
しおりの絵は、三島市在住の絵本作家・江頭路子さんによるものです。
4/29、30、5/3~5/5、5/7は13時~ギャラリートークを開催。


【110回目の生誕記念日】
とき:5/6(土)
終日、入館料無料となります。
先着110名様限定、むかし懐かしいガラポンにご参加いただけます。


「西岡屋」のモデル・西村屋


【瓊花(けいか)】
レンプクソウ科。中国揚州市の市花で、日本では唐招提寺や佐賀県立森林公園など、鑑真ゆかりの地だけに植栽されている珍しい花です。
例年、見頃は4月の下旬から5月初旬。鑑真遷化1250年を記念し、2013年に植樹しました。




古里だより 卯月(三)


まんがで読む井上靖~第三話~

2017/4/23更新



生誕110年記念「まんがで読む井上靖」第三話は、「別れと旅立ち」です。
画:江頭路子(えがしら みちこ)
監修:井上靖文学館

「西岡屋」のモデル・西村屋





古里だより 卯月(二)


「五感であそぶ井上靖の世界」展

2017/4/3更新



生誕110年「五感であそぶ井上靖の世界」展が始まりました。

「西岡屋」のモデル・西村屋


「しろばんばに登場する、おばあちゃん自慢のごちそうは?」
「あすなろはどれだろう?」

「西岡屋」のモデル・西村屋

「天平の甍ゆかりの瓊花(けいか)の香りを嗅いでみよう!」

「西岡屋」のモデル・西村屋

見る、聞く、触る、味わう、嗅ぐといった体の感覚を使って、作品の世界に親しめる展示を企画しました。
井上靖の100のことばを選定した「ことばくじ」。
おひとつ言葉のお土産をどうぞ。

「西岡屋」のモデル・西村屋


生誕110年「五感であそぶ井上靖の世界」展
会期:2017年3月16日(木)~9月19日(火)
協力:井上靖ふるさと会
後援:一般財団法人 井上靖記念文化財団




古里だより 卯月(一)


劇団しろばんば
生誕110年記念公演

2017/4/3更新



井上靖生誕110年。
第一弾として、劇団しろばんばによる公演が行われます。
入場無料ですので、お気軽にどうぞ。


生誕110年記念公演
「しろばんば~久保田の人々~」
日時:平成29年4月29日(土・祝)13時30分開演
会場:天城会館劇場ホール
*入場無料
主催:劇団しろばんば
後援:伊豆市・伊豆市教育委員会・井上靖記念文化団・井上靖ふるさと会

「西岡屋」のモデル・西村屋




古里だより 弥生(二)


五感であそぶ井上靖の世界

2017/3/3更新



「真田軍記」展も残すところわずかとなりました。

井上靖生誕110年を迎えた2017年。
当館では、見る、聞く、触る、味わう、嗅ぐといった体の感覚を使って、作品の世界を楽しめる展覧会を開催いたします。
井上靖の100のことばで「ことばくじ」を作りました。誰でも参加できます。


「新しいインキ壜の蓋を開けると、ブルー・ブラックの深海がある。」

「西岡屋」のモデル・西村屋

「五感であそぶ井上靖の世界」展
会期:2017年3月16日(木)~9月19日(火)
協力:井上靖ふるさと会
後援:一般財団法人 井上靖記念文化財団




古里だより 弥生(一)


あすなろ忌のご報告

2017/3/3更新



井上靖を偲ぶ「あすなろ忌」が伊豆市湯ヶ島にて行われました。
今年は命日である1月29日の開催でした。

まずは、熊野山共同墓地にて墓参。
井上家や地元関係者、全国から集まったファンなど約50名が集い、暖かな陽の光を浴びながら手を合わせました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

墓参の後は、天城会館にて井上靖作品読書感想文・感想画コンクール入賞者の表彰式です。
それぞれの思いがことばや絵となって表現されました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

昼食後、午後の部は映画「千利休 本覚坊遺文」上映。
1989年公開、熊井啓監督、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞作品です。

気持ちよく晴れた冬の日、天城会館からの富士山を眺めながら作家を偲びました。




古里だより 如月(三)


まんがで読む井上靖~第二話~

2017/2/19更新



生誕110年記念「まんがで読む井上靖」第二話は、「おぬい婆ちゃんと食べもの」です。
朝起きたら、最初に食べるものは?
おぬい婆ちゃん自慢のごちそうって?


「西岡屋」のモデル・西村屋





古里だより 如月(二)


まんがで読む井上靖

2017/2/2更新



生誕110年を記念して、今月より「まんがで読む井上靖」の連載を始めます。
第一話は生誕。これから井上靖の生涯をゆっくり紹介していきますね。

画:江頭路子さん(絵本作家・イラストレーター)

「西岡屋」のモデル・西村屋





古里だより 如月(一)


文学館のしごと~その2~
出張授業・出前講座

2017/2/2更新



当館では、学校への出張授業や、図書館などの施設へ出前講座を行っています。
2016年12月には伊豆市立天城中学校2年生の出張授業「井上靖と天城」と、長泉町立図書館の講座「井上靖が遺したもの」を実施しました。

学校図書の中学二年生の教科書に『孔子』と『利休の死』が抜粋掲載されたことを機に、出張授業の運びとなりました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

まずは段落ごとに『利休の死』を読み、「歴史小説とはなにか?」を考えました。
そして後半は、天城中学校と井上靖の関わりを紹介し、クイズをしながらふるさとの作家に親しみました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

井上靖は天城中学の校歌を作詞し、生徒会会誌にて「故里美し」を寄稿しました。
天城中学への道「克己坂」は、『あすなろ物語』の「克己」に由来します。

長泉町民図書館の図書館講座「井上靖が遺したもの」では、長泉町と井上靖の関わりを振り返り、 井上作品にどんなメッセージが込められているのか、作品の抜粋を読みながら紹介しました。

2016年は三島市立坂小学校、伊豆市立天城小学校、天城中学校へ出張授業、出前講座は御殿場市民交流センターふじざくら、長泉町民図書館にて開催しました。
当館では、学校からの団体見学も受け付けております。
案内の内容は学校・団体によって対応しますので、事前にご一報ください。




古里だより 睦月(一)


新年のご挨拶

2017/1/8更新



本年もよろしくお願いいたします。

「西岡屋」のモデル・西村屋

今年は井上靖生誕110年、
さまざまな企画を準備しております。

1/29(日)には、伊豆市湯ヶ島にて井上靖追悼「あすなろ忌」を開催予定です。