古里だより

古里だより   神無月(一)


ふるさとへのメッセージ展         

2019/10/1



9月26日(木)より「ふるさとへのメッセージ~井上靖・大岡信のことば~」展が始まりました!

本展では、井上靖と大岡信の交流や詩を展示し、「ふるさと」や「水」をキーワードに、作品の根底に共通するものを紹介しています。

大岡信の自筆ノート7点を含む、資料約70点を公開。井上靖への弔辞の御礼に、井上家からもらったという壷は初公開です。

 

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋
大岡信「水底吹笛」 ノートの段階と発表された詩では表記が異なります。自筆ノートには推敲のあとが。
「西岡屋」のモデル・西村屋

 

参加型コーナーとして、玄関の写真撮影スポット、簡単な本づくりコーナー、ことばあそびコーナー、五感で楽しむコーナーがあります。

 

サイコロを振って、ことばのパズル。新しいことばに出会えるかも?

大岡信さんの詩「はる なつ あき ふゆ」パズル。考えながら組み合わせてみましょう!

 

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋

 

会期中は映像コーナーで大岡信の講演会の様子を見ることができ、大岡信の詩集も販売。

来館者限定で「文豪さんぽマップ 三島編・沼津編」をお渡ししていますので、見学後はぜひ散策へ出かけてみてください。

 

「西岡屋」のモデル・西村屋

 

会期中にギャラリートークやワークショップ、トークイベントも開催予定です!




古里だより   長月(一)


秋のワークショップ         

2019/9/7



紙ついしゅを知っていますか?

秋のワークショップの講師の溝田さんは「紙ついしゅ」という技法を考案し、特種東海製紙の全国紙わざ大賞を受賞されました。

なかなかできない紙を彫るという体験ができるワークショップです。

世界で1つだけの作品を作ってみましょう!

 

 

秋のワークショップ

「紙ついしゅにちょうせん!紙を重ねて彫刻しよう」

日時:10月20日(日)13時30分~15時

場所:井上靖文学館2階

講師:溝田靖浩(三島市立東小学校教諭・第24回紙わざ大賞受賞)

対象:小学校4年生以上の親子及び大人(大人だけの参加もOK)18名

持ち物:彫刻刀(あれば)・筆記用具・汚れてもよい服装でお越しください

参加費:入館料のみ(大人500円・中学生以下は無料)


「西岡屋」のモデル・西村屋

 




古里だより   葉月(三)


次回の展示は?         

2019/8/22



好評開催中の「本のひみつ」展もあと一ヶ月となりました。

会期中のギャラリートークやワークショップは次回が最後ですので、ぜひご参加ください。

 

○ギャラリートーク「井上靖がのこしたメッセージ」

9/1(日)14時~(30分程度)

井上靖の作品の世界を紹介します。未読の方も大歓迎!

予約不要・参加費は入館料のみ

 

○じっくりワークショップ「小さな豆本づくり」

9/8(日)14時~15時30分

小学生以上先着10名・予約不要・参加費は入館料のみ

 

 

そして、次回の展示は「ふるさとへのメッセージ~大岡信・井上靖のことば」!

現在、準備の真っ最中です。

母校の沼津東高校で資料調査。


「西岡屋」のモデル・西村屋

 

二人が表現したふるさとを紹介します。

関連イベントも計画していますので、お楽しみに!




古里だより   葉月(二)


夏夏の子どもたちと         

2019/8/22



7月末、文学館で初めての職場体験イベント「いちにち学芸員体験」を開催しました。

文学館のしごと、それは本にまつわること!ということで、本の博士になるべく、ブックカバー掛け、キャプション作成、豆本作りの3つに取り組みました。

ブックカバーは一度マスターすれば、どんな本にも応用できます。

次は展示物の解説であるキャプション。ノリのついたパネルに貼り付け、目印に沿ってカッターで切ります。パネルを切るのは大変なので、親子で協力しながら進めました。


「西岡屋」のモデル・西村屋

 

最後は豆本!手のひらサイズの小さな本を作りながら、本の構造や、それぞれのパーツの名前にも触れます。表紙、見返し、花切れ、しおりを自分で選び、オリジナル豆本の完成です。消しゴムと比べても、このサイズ!


「西岡屋」のモデル・西村屋

身近にある本。でも、謎がいっぱいの本の世界。そんな本の魅力を広めていけたらと思います。

 

 

8月。三島市生涯学習センターにて「もっと三島が好きになる!読み聞かせと豆本づくり」を開催しました。主催は三島市の家庭文庫「てんとうむし文庫」。当館学芸員が講師を務めました。

まずは、三島が舞台の作品の読み聞かせ。

井上靖「しろばんば」三島の夏祭りの場面。

井上靖「ひと朝だけの朝顔」これは三島ではないのですが、後の作品「しろばんば」にも登場します。珍しい井上靖の童話をパネルシアターで紹介!


「西岡屋」のモデル・西村屋

 

大岡信「故郷の水へのメッセージ」三島といえば水ですね。

えがしらみちこ「あのねあのね」絵本に隠された仕掛けがユニーク!


「西岡屋」のモデル・西村屋

 

三島が描かれた作品を耳で味わった後は、本がどうやってできているのか?豆本を作りながら体験しました。

表紙、見返し、花切れ、しおりを自分で選ぶので、それぞれオリジナル豆本ができます。本の部位にも色々な名前があること。そして、本を作りながら、その構造がわかるので、本がもっと身近な存在になるはず。

大人から子どもまで(未就学児まで!)個性あふれる豆本が完成しました!


「西岡屋」のモデル・西村屋





古里だより   葉月(一)


夏休みオススメ本         

2019/8/5



当館では、夏休みの宿題で調べに来る子どもたちへ、簡単な解説、DVDの紹介、資料の紹介などサポートを行っています。

受付のスタッフへ「どんなことを知りたいのか、どんなテーマなのか」、お聞かせください。

 

夏休みといえば、読書感想文!

小・中学生にオススメの本は「あすなろ物語」と「しろばんば」です。井上靖の自伝的な小説で、主人公の成長を描いています。

 

「西岡屋」のモデル・西村屋

 

高校生には「天平の甍」「敦煌」「楼蘭」「風林火山」。歴史を振り返りながら読むと、面白さが倍増しますよ。

 

「西岡屋」のモデル・西村屋




古里だより   文月(三)


イベントレポート その2         

2019/7/29



【図書館講座「伊豆文学読み比べ」】

長泉町民図書館の図書館講座では、「はじめての伊豆文学~読み比べて楽しもう!」というテーマでお話しました。

「作品は街のタイムカプセル。一緒に開いてみましょう!」

「天城峠(伊豆市)」「下土狩駅(長泉町)」「三島」の3つのポイントに絞って、さまざま作品の描かれ方、作品の背景、作家の関係などを紹介しました。

下土狩駅が「三島駅」として登場する作品や、三島由紀夫のペンネームが三島によって生まれたことは反響が大きかったです。

また今後も地元が登場する作品を収集し、「もっと街が好きになる!」そんなきっかけ作りができればと思います。


「西岡屋」のモデル・西村屋

 

【文豪カフェ「中国行軍日記」】

伊豆湯ヶ島にて「第二回文豪カフェ」が開催されました。今回のテーマは「80年の時を超えて―二等兵・井上靖の「中国行軍日記」をたどる」。

1937(昭和12年)、中国北支を行軍した井上は脚気となり、内地送還。現地で私的な日記を綴っており、その日記は生前公開されることはありませんでした。作家となってからは、この時の体験を小説やエッセイ、詩として発表しています。

・「行軍日記」とはどのようなものか?

・湯ヶ島から一緒に出征した人の資料からみえるもの

・戦争をモチーフにした詩「野分」の朗読(井上靖次女・黒田佳子さん)

・「行軍日記」の足跡をたずねる旅の記録(DVD上映)

・旅を終えて感じたこと

・湯ヶ島を「文学の郷」にしていくために

・地元の方々による貴重な証言


「西岡屋」のモデル・西村屋

 

講演の後は「しろばんば」に登場する「上の家」にて座談会。

この日は日記の中で「ワサビ羊カンが食べたい」と切望したワサビ羊羹が特別にふるまわれました。


「西岡屋」のモデル・西村屋

 






古里だより   文月(二)


イベントレポート         

2019/7/29



【「星と祭」講演会】

滋賀県湖北で「星と祭」復刊プロジェクトの活動をされている方々をお招きして、記念講演会「『星と祭』と十一面観音」を開催しました。

勧進を読み上げた後、前半は「井上靖と湖北」、後半は「湖北の十一面観音信仰」について語っていただきました。

復刊されましたら、当館でも販売予定です。また状況をお伝えしますね。


「西岡屋」のモデル・西村屋

左から對馬さん、明定さん、久保寺さん


復刊プロジェクトでは、7月末まで予約を受付中です。

 「星と祭」復刊プロジェクト

http://hoshitomatsuri-fukkan.com/


「西岡屋」のモデル・西村屋

 

【「ジオ文豪カフェ 天城峠」】

井上靖のふるさと・伊豆湯ヶ島にて「第三回ジオ文豪カフェ」が開催されました!

テーマは「峠の男たち」。天城峠をめぐる男(小説家)たちとその作品を、「伊豆の踊子」をベースに読み解いていきました。

峠の茶屋について考察後、会場に配られたのは天城甘茶。

「我々にとって峠とは?」

「なぜ峠を越えたいのか?」

川端康成から井上靖、松本清張、池波正太郎…作家たちのつながりと葛藤が垣間見え、参加者で共有できた時間でした。


「西岡屋」のモデル・西村屋
異分野のコラボは刺激的!左からジオパーク研究員の新名さん、ジオ派文学ガイド安藤さん

 

【出張授業「井上靖ってどんな人?」】

当館から一番近い小学校・長泉北小学校へ出張授業にお邪魔しました!

長泉町内の学校は初めてで、さらに今回は国語ではなく、「総合」の授業。

長泉北小6年生は1年を通してキャリア教育に取り組んでいるそうで、「井上靖の生き方」や「本にまつわる仕事」について、楽しく話をしました。

長泉町との関わりは?

なぜ小説家になったの?

書く人だけでなく、本を多くの広める人たちがいて、私たちの手元に届くこと。

この授業をきっかけに、井上靖の作品や、自分たちのまわりにある本に興味を持ってもらえたら嬉しいです。


「西岡屋」のモデル・西村屋





古里だより   文月(一)


夏休み出張ワークショップ         

2019/7/13



てんとうむし文庫 夏のワークショップ
「もっと三島が好きになる!~読み聞かせと豆本作り~」

三島を舞台にした作品を読み、その魅力を味わいます。
素敵な本に出会った後は、世界にひとつだけの豆本づくり。
本がどのように組み立てられているか、そのひみつを体験しましょう!

「西岡屋」のモデル・西村屋

日時:8月1日(木)午前9時30分~11時30分
場所:三島市民生涯学習センター手芸室
定員:25名(要予約・先着順)
対象:小学生~大人
(小学生以下の小さいお子さんの参加も可能ですが保育はつきません。豆本作成のため大人の方と一緒にご参加ください)
講師:当館学芸員
持ち物:筆(接着剤をつけるのに使います)
費用:無料
申し込み:てんとうむし文庫tentomushi_mishima@yahoo.co.jpまで
(先着順です。連絡先・子どもの参加の場合は学年を添えてお申し込みください)

主催:てんとうむし文庫  共催:三島市立図書館  協力:井上靖文学館





古里だより   水無月(三)


夏の催し         

2019/6/24



夏の催しについてお知らせします。
歩いたり、話したり、作ったり……文学の楽しみ方はいろいろ。

うずまく男の情念!? 「第三回ジオ文豪カフェ『峠の男たち』」
地形がどう作家の世界観としてあらわされるのかを、「峠」をテーマにして語ります。またトークの内容をなぞるような形でジオ文豪ウォークも開催します(希望者対象)。

日時:2019年7月6日(土)10:00~12:45
/ウォーク(希望者対象)12:45~15:15
会場: 伊豆市湯ヶ島市民活動センター3F「あまじお」
講師:徳山加陽(当館学芸員)・安藤裕夫(ジオ派文学ガイド)・新名阿津子(伊豆半島ジオパーク推進協議会専任研究員)
定員:30名
参加費:600円(お弁当代)ウォークへも参加される方は+150円(保険代)
また、ウォークのスタート地点までとゴール地点から解散場所までのバス代はご負担ください。
申し込み:伊豆半島ジオパーク推進協議会HPの申し込みフォームへ
https://izugeopark.org/2019/06/06/bungo-2/?post_id=25199

「西岡屋」のモデル・西村屋


第二回文豪カフェ
「80年の時を超えて―二等兵・井上靖の中国行軍日記をたどる」
文豪カフェは、毎回テーマを変え、湯ヶ島と文学の魅力を語り合う会です。
今回は、80年の時を超えて、行軍日記の道をたずねた方々の鼎談をお送りします。

日時:2019年7月20日(土)13:00~14:30/上の家オープン(この日は特別に16時まで延長)
会場:伊豆市湯ヶ島市民活動センター1F会議室
講師:徳山加陽(当館学芸員)・鈴木基文(船原館館主)・篠崎啓史
定員:35名
参加費:無料(上の家の入館は300円)
申し込み:伊豆市観光協会天城支部(電話0558-85-1056)

「西岡屋」のモデル・西村屋



夏休み職場体験!「いちにち学芸員!文学館のしごとを体験しよう」
カバー掛けやパネル作りなど体験してみませんか?

日時:7月28日(日)13時~15時
会場:当館2階
定員:小学校4年生以上10名
参加費:入館料のみ
申し込み:当館(電話055-986-1771)





古里だより   水無月(二)


「文学庵」オープン         

2019/6/4



静岡県小山町の富士霊園。桜の季節には多くの見学客でにぎわうお花見スポットです。
その霊園内に800名以上の「文學者之墓」があります。

お墓を持てない作家にもお墓を、との方針で建設され、分骨や愛用品が納められています。
井上靖が日本文芸家協会理事長を務めていた時、今から50年前の1969年に建てられました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

生前に名前を記名した作家は、代表作を自ら選んでいます。
井上靖が選んだ作品は「猟銃」。

「西岡屋」のモデル・西村屋

日本文芸家協会は、5月末、「文学者の新たな一面を知ってもらうきっかけ」として、広報館「文学庵」をオープン!

「西岡屋」のモデル・西村屋

写真家の田沼武能氏が撮影した作家らの肖像25枚が並んでいます。
入場無料。お気軽にお寄りください。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋





古里だより   水無月(一)


新しいパンフレット         

2019/6/4



当館のパンフレット、実は4種類あるのです!
三つ折りのパンフレットを開くと、左側に井上靖のことばを記載していて、そのことばが4パターンあります。

5月末、パンフレットを改訂し、掲載している「遺したいことば」を変えました。
今回は「化石」「私の自己形成史」「星と祭」「波紋」より抜粋。

「西岡屋」のモデル・西村屋

ご家族、ご友人など、何名かでいらした時、ぜひ読み比べてください。
そして、井上靖のことばをお持ち帰りください。




古里だより   皐月(三)


「星と祭」復刊プロジェクト         

2019/5/24



琵琶湖の湖北を舞台にした小説「星と祭」。
絶版状態になっている同作を復活させようという、湖北・長浜の「星と祭」復刊プロジェクトが進行中です!
装いを新たにした「星と祭」の復刊を目指しているそうです。
勧進(先行予約)について、詳しくは下記ページをご覧ください。

「星と祭」復刊プロジェクト
http://hoshitomatsuri-fukkan.com/

「西岡屋」のモデル・西村屋


プロジェクトのメンバーが来月、当館にてトークを行います!
「星と祭」が好きな方、仏像好きの方、ぜひお越しください。

『星と祭』復刊プロジェクト記念講演
「『星と祭』と十一面観音」
6月29日(土)14時~15時30分
講師:
明定 義人(みょうじょう よしと)滋賀県最古の歴史を持つ現存図書館「江北図書館」の館長を務めながら、古書店「六夢堂」を営む
久保寺容子(くぼでら ひろこ) 古書店あいたくて書房・ブックコーディネーター
對馬佳菜子(つしま かなこ)長浜市地域おこし協力隊・ 通称観音ガール
定員:20名
参加:入館料のみ
事前に電話にてお申し込みください。

「西岡屋」のモデル・西村屋




古里だより   皐月(二)


修学旅行 文学コース         

2019/5/24



ゴールデンウィークが明けた翌週、東京から筑波大学附属中学校3年生39名が来館されました。
毎年恒例、修学旅行文学コースの皆さんです。
一年生で「しろばんば」を、二年生で「夏草冬濤」を読み、文学コースで伊豆を訪れる取り組みを20年以上続けています。
筑波大附属中学は、修学旅行を始めた学校で、文学のほかにも音楽や水質・農業コースなどから選択します。
生徒それぞれのテーマを事前に調べ、現地で探求し、後日レポートにまとめるという「修学」旅行を行っているそうです。

「西岡屋」のモデル・西村屋

事前学習の「伊豆文学新聞」によると、今年のテーマは「伊豆の踊子に見るさまざまな表現方法」「湯ヶ島が井上靖に与えた影響」「富士の山と太宰治」など。
メモを取り、館内の資料をじっくり見学しています。

当館を見学後は、「伊豆の踊子」の宿・福田屋宿泊や「しろばんば」の文学散歩、梶井基次郎「闇の絵巻」ナイトウォーク、沼津の牧水記念館見学、太宰の「斜陽」の宿・安田屋の女将さんの話を聞くなど、文学づくしの三泊四日を過ごします。

「西岡屋」のモデル・西村屋

当館では、児童・生徒の団体見学も行っています。
簡単なガイドも可能ですので、ぜひご相談ください。




古里だより   皐月(一)


出張授業         

2019/5/11



新学期の始まった四月、今年も出張授業を行いました。

伊豆市立天城小学校6年、三島市立坂小学校6年生と、それぞれ楽しい時間を過ごしました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

教科書に掲載されている詩「出発」を一緒に読み、どんなことが書かれているのか考えた後、伊豆や三島が登場する作品を紹介。
井上靖クイズで大盛り上がり!

「西岡屋」のモデル・西村屋

そして、詩「出発」にちなんで、小学校最後の学年の目標を書きました。
次回は初めての学校へ。長泉町内の学校や高校の特別授業を計画しています。


「出発」

ぼくは
マラソン競争で
白いスタート・ラインにならぶ時が好きだ。
かるく腰をうかせ
きっと遠い前方の山をうかがう
あの瞬間のぴんと張った気持が好きだ。
やがて笛は鳴りひびくだろう。
ぼくたちはかけ出す。
校庭を一周し、町をぬけ、村を通り、おかをこえる。
友をぬいたり
友にぬかれたりする。
みなぎってくる
いろいろの思いをしずかにおさえて
友と友の間にはさまれて
先生の笛の合図をまっている
あのふしぎにしずかで、ゆたかな、出発の時が好きだ。

古里だより   卯月(四)


瓊花まつりと生誕記念日         

2019/4/18更新


遣唐使たちの運命を描いた小説「天平の甍」にちなみ、2013年に植樹した瓊花(けいか)の花。
4月下旬の見ごろに合わせて、瓊花(けいか)まつりを開催いたします。
ぜひ可憐な花をご覧ください。
ここ数年の傾向を見ると、4月末頃がおすすめです。

「西岡屋」のモデル・西村屋

【第6回 瓊花(けいか)まつり】4/27(土)~5/6(月)

当館オリジナルグッズ、瓊花(けいか)のしおりを販売します。
また、4/27(土)~4/30(火)14時~14時30分
瓊花と『天平の甍』についてトークを開催(予約不要・参加費は入館料のみ)。

なお、井上靖112回目の生誕記念日5月6日は入館料無料となります。
先着112名ガラポンにご参加いただけます!




古里だより   卯月(三)


いま注目の本         

2019/4/18更新


当館では、井上靖の著作、研究書、関連書、グッズ、ゆかりの食べ物などを販売していますが、その中でもいま注目の本を紹介します。

先日放送されたNHKBS「深読み読書会 井上靖「敦煌」」の中で、当館編集の「中国行軍日記」が取り上げられました。
井上靖が30歳の頃、二等兵として中国北支を行軍した時の日記です。全集にも未収録で、妻のふみ夫人が大切に保管し、夫人の一周忌の後に公開されました。
本書には、「中国行軍日記」のほか、戦地からの手紙、戦争体験が描かれた小説、井上靖の次女・黒田佳子さんが行軍の地をたずねたエッセイを収録しています。

「西岡屋」のモデル・西村屋
1080円。当館オリジナル。

新元号「令和」発表とともに、万葉集がブームですね。
「和歌はなじみがないから難しそう」という方、小説から始めてみませんか?
「額田女王」では、和歌の世界が広がります。
「西岡屋」のモデル・西村屋
持ち運びやすい文庫版。907円。

最後は、新刊「井上靖 未発表初期短短篇集」です。
作家になる前、ペンネームを使っていた頃のユーモア、ミステリー、時代物など七編を収録。
二十代の軌跡は、その後の作品にどのような影響があるのでしょうか。
七月社HPで「昇給綺談」を読むことができますので、チェックしてみてください。

「西岡屋」のモデル・西村屋
2,592円。七月社・発行。

ほかにも、珍しい研究書やオリジナルグッズも置いています。



古里だより   卯月(二)


文学グッズ         

2019/4/18更新


当館は、伊豆市の「文学の郷事業」に協力し、さまざまな活動を行っています。
今回、事業の一環で、新しい文学グッズを作りました!

修善寺の紙切り作家・水口ちはるさんによる伊豆文学の世界です。
「しろばんば」の手ぬぐいでは、おめざの場面を。文章の一節も一緒に入れました。
二人の背景には、土蔵の窓から見える小さな富士山。

「西岡屋」のモデル・西村屋
手ぬぐい・500円です。

そして、郵便はがき三種類。
湯ヶ島の文学といえば、この三人!川端康成の「伊豆の踊子」、梶井基次郎の「闇の絵巻」、井上靖「しろばんば」です。
さわやかな風を感じる学生さんと踊子。「闇の絵巻」は、白と黒で闇の道を表現しています。
「しろばんば」は冒頭の夕焼け、子どもたちがしろばんばを追いかけている場面です。
切手を貼る部分には、それぞれの作品のモチーフをあしらいましたので、宛名面もお見逃しなく!

「西岡屋」のモデル・西村屋
ポストカード各150円です。

旅の記念にぜひどうぞ!




古里だより   卯月(一)


リニューアルオープン         

2019/4/8更新


井上靖の母校・湯ヶ島小学校が閉校して6年。
この春、同校が「天城湯ヶ島市民活動センター」として生まれ変わりました!

「西岡屋」のモデル・西村屋

会議室などがある1階、天城図書館、井上靖資料室のある2階、3階にはジオの展示室と研究室が入ります。
「井上靖資料室」は当館が出張展示を行い、文豪気分で写真を撮れる書斎や、一押しの本をPOPに書くコーナーを設け、気軽な資料室になりました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋
水口ちはるさんによる切り絵パフォーマンスに興奮!

「西岡屋」のモデル・西村屋
詩人で井上靖次女の黒田佳子さんもご来場

月曜日休館で、土日も自由に入れますので、「しろばんば」文学散歩の折にお寄りください!入館無料です。

また、しろばんばの「上の家」、井上家本家も今後は限定オープンし、縁側カフェを予定。地元有志によるおもてなしが魅力です。
「しろばんば時代」を体感しに、湯ヶ島へ来ませんか?




古里だより   弥生(三)


「本のひみつ」展スタート!         

2019/3/21更新


本日より新しい企画展「本のひみつ 1冊の本ができるまで」が始まりました!

「西岡屋」のモデル・西村屋

1冊の本ができるまでには、どんな秘密があるのでしょうか?
創作のたねが構想になって、調査、取材、下書き、清書、校正、編集、印刷・・・私たちの手元に届くまでにはいろいろな過程があります。
本展では、「しろばんば」を中心に、取材写真、原稿、掲載誌、単行本などを展示し、本になるまでの裏側を紹介します。

また、誰でも参加できるワークショップスペースでは、簡単な本づくりを体験できます。

「西岡屋」のモデル・西村屋

ひみつを知れば、本がもっと好きになることでしょう。
知っているようで知らない本の世界へあそびに来てください。

「西岡屋」のモデル・西村屋

50音のことのは栞。好きな文字を選んでお持ち帰りいただけます。
裏面には井上靖の名言付き!

「西岡屋」のモデル・西村屋

玄関の写真スポットもリニューアルしました。しろばんばと一緒に本の世界へ!



古里だより   弥生(二)


文学館講座レポート         

2019/3/8更新


企画展関連イベントとして、文学館講座を開催しました。
映画の展覧会企画や書籍の出版などを手がける根本隆一郎さん(NPO法人 古き良き文化を継承する会代表)をお招きし、脚本部時代の井上靖について、当時の映画会社の様子など、時代背景をまじえながら語っていただきました。

「西岡屋」のモデル・西村屋

根本さんより「井上靖が書いた映画脚本が存在した!?」という驚きの連絡を受けたのは2016年の年末。
根本さんが脚本を手書きで写し、それを入力。関連付ける資料を調査したり、関係者とお会いしたり、時間をかけてようやく2018年2月に記者発表を行うことができました。
そして、発見された新資料を紹介するべく、今回の「井上靖と映画」展を企画しました。
映画ポスター、脚本、パンフレット、原作本など約100点を展示しています。3月19日(火)まで。

「西岡屋」のモデル・西村屋



古里だより   弥生(一)


ジオ文豪カフェ         

2019/3/8更新


沼津の風土は芹沢光治良と井上靖にどのような影響を与えたのか?
「街を知るための手がかりとして文学作品を読む」。そんな新しい視点で行われた「ジオ文豪カフェ」の様子を報告します。

伊豆半島ジオパーク推進協議会専任研究員・鈴木さんによる地形解説、進行はジオ派文学ガイドの安藤さん、そして同研究員の新名さん。
沼中の水泳場、香貫山、狩野川などの地点について、二人の作家がどう感じ、どう書いたのか、両文学館の学芸員が考察しました。
「海や河口が生活と直結していた芹沢」と「出会いの場所、青春の場所だった井上」。
井上の作品では湯ヶ島との比較で語られています。

「西岡屋」のモデル・西村屋

大阪、千葉など、県外も含め27名参加し、午後はトークで挙げられた場所を研究員の解説付きで歩きました。

「西岡屋」のモデル・西村屋




古里だより   如月(五)


文学館講座         

2019/2/25更新


伊豆市と協力し、湯ヶ島の「文学の郷づくり」計画を進めています。
ひとつは新たな文学グッズの制作。
修善寺の切り絵作家・水口千令さんへ依頼し、「伊豆の踊子」や「しろばんば」の世界を切り絵で表現してもらいます。

春には完成予定で、湯ヶ島や文学館で販売します。

「西岡屋」のモデル・西村屋

また、閉校した旧湯ヶ島小学校が図書館や井上靖資料室をリニューアルし、4月からオープンします。
現在、井上靖資料室の新しい展示の準備中。
しろばんばの世界を散策したくなるような展示を目指しています。
オープン後は誰でも入れる気軽な資料室になりますので、お楽しみに!



古里だより   如月(四)


文学館講座         

2019/2/25更新


2月の快晴の日。
「しろばんば」に登場する井上家本家「上の家」にてスペシャルトークを行いました。

明治時代に建てられた上の家は、しろばんばの世界を今に伝えています。
地元の有志によって伊豆文学まつり期間中の週末に一般公開されており、今回は湯ヶ島で活動する井上靖ふるさと会主催の催しです。

「西岡屋」のモデル・西村屋

「西岡屋」のモデル・西村屋

井上靖がどのような作品を書き、その作品にどのような言葉を書いたのか。
さまざまな作品を紹介することで、そのメッセージや人柄が見えてきたかと思います。

限定公開されている上の家へ遊びにいらしてください。



古里だより   如月(三)


出張授業でことのは栞         

2019/2/25更新

1月、三島市立北上中学校と小山町立小山中学校へ出張授業にお邪魔しました。

「井上靖ってどんな人だろう?
地元との関わりは?どんなことばを残したのか」という話をしたあと、生徒の皆さんに好きな言葉や気になることばを文学館特製「ことのは栞」に書いてもらいました。
皆さんの学校の校訓はなんですか?クラスの目標はなんですか?と聞き、井上靖クイズも交えながら楽しい時間を過ごしました。

「西岡屋」のモデル・西村屋
北上中2年生

「西岡屋」のモデル・西村屋
小山中1年生

授業後に、北上中の皆さんから「ことのは栞」が届きました。
「千里の道も一歩から」
「自問は有限、知性は無限」

「西岡屋」のモデル・西村屋

本を読むことで、新しい世界と出会い、新しいことばと出会うことができます。
当館は新しい出会いのきっかけ作りとして今後も出張授業を続けていきます。




古里だより   如月(二)


文学館講座         

2019/2/4更新


現在、開催中の「井上靖と映画 銀幕を彩った作品たち」展に関連し、文学館講座を行います。
井上靖が書いた脚本が映画になっていた!?
今回、初めて公開する映画資料を発見したのが講師の根本隆一郎さん。知られざる井上靖と映画の世界をご紹介します。

 

文学館講座「知られざる脚本部時代の井上靖の世界」
3月3日(日)14時~15時
講師:根本隆一郎(NPO法人 古き良き文化を継承する会代表)
定員:20名
参加:入館料のみ
事前にご予約ください(電話:055-986-1771)



「西岡屋」のモデル・西村屋
所蔵・根本隆一郎氏



古里だより   如月(一)


         あすなろ忌

2019/2/4更新



1月27日(日)、伊豆市湯ヶ島にて「あすなろ忌」が開催されました。

富士山がくっきりと映える快晴の中、墓参や井上靖コンクール表彰式、演劇「しろばんば 幼き日2019」公演が行われ、井上家や関係者、ファンの方々など250名以上が集まりました。


「西岡屋」のモデル・西村屋

劇団しろばんばによる公演は今年も盛況でした。


お昼に振舞われた「しろばんば」のライスカレー。
地元の方々のおもてなしがあすなろ忌の魅力です。


「西岡屋」のモデル・西村屋

あすなろ忌を皮切りに始まった伊豆文学まつり。期間中は上の家の限定公開など、さまざまなイベントが開催されます。






古里だより   睦月(二)


催しのご案内         

2019/1/26更新


上の家でスペシャルトーク!
「井上靖ののこしたメッセージ」
2月17日(日)13時~
話し手:德山加陽(当館学芸員)
場所:上の家(伊豆市湯ヶ島)
定員:20名 参加費:無料 事前にご予約ください
「しろばんば」に登場する上の家で井上靖の世界にひたりませんか?
色々な作品の中のメッセージを紹介します。

予約:井上靖ふるさと会事務局(伊豆市役所天城支所内)電話0558-85-1111

「西岡屋」のモデル・西村屋


トーク&ウォーク「第二回 ジオ文豪カフェ」
2月24日(日)10時30分~12時トーク・13時~14時30分ウォーク
話し手:剱持直樹(沼津市芹沢光治良記念館主事)・德山加陽(当館学芸員)
安藤裕夫(文学派ジオガイド)・新名阿津子・鈴木雄介(伊豆半島ジオパーク推進協議会 専任研究員)
場所:沼津市御用邸記念公園東付属邸第一学問所
定員:30名
参加費:800円(資料代、お茶代、お菓子代を含む)事前にご予約ください
沼津はどんな土地なのか?どう描かれてきたのか?文学作品から考えます!
トーク後は文豪目線で沼津市内をぶらぶら歩きます。

予約:伊豆半島ジオパーク推進協議会/電話0558-72-0520




古里だより   睦月(一)


新年のごあいさつ         

2019/1/7更新


本年もよろしくお願いいたします。
昨年、当館は開館45年を迎えました。
今年は井上靖のふるさとである伊豆市との連携を図りながら、文学館活動を行っていきたいと思います。


開館45年記念展「井上靖と映画」展は3月19日(火)まで開催しております。
1月27日(日)は伊豆市にて井上靖追悼「あすなろ忌」を、3月3日(日)には当館にて文学館講座「脚本部時代の井上靖と『白銀の王座』」を予定しています。

「西岡屋」のモデル・西村屋


最新情報は井上靖文学館facebookをご覧ください
https://www.facebook.com/inoue.yasushi.museum