井上靖のことば

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2016.1.10更新


「氷壁」

「強(あなが)ち原子科学の中に、明るい人類の夢や可能性ばかりが詰まっているとは思えませんな。
そこにはまた、亡(ほろ)びの可能性も詰まっているわけです」

「人間を信じるということは、その人間のやった行為をも信じるということだ。」



『氷壁』
1956(昭和31)年1月~翌年8月まで『朝日新聞』へ連載。49歳。
切れるはずのないザイルが切れ、穂高で墜死した小坂。小坂と同行し、事故の真意をつきとめようとする魚津は、自殺説をはじめとする多くの臆測と戦うこととなります。
厳しい自然と都会の雑踏を照応させつつ、人間を「信じる」ことを説いた代表作です。




ナイロンザイル切断事件をもとに書かれた小説。
1956年の日本山岳会隊によるマナスル初登頂や、『氷壁』をきっかけに登山ブームが起こりました。

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