井上靖のことば

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2016.2.6更新


「猟銃」

「人間の持っている蛇とは何でありましょうか。我執、嫉妬、宿命、恐らくそうしたもの全部を呑み込んだ、もう自分の力ではどうする事も出来ない業(ごう)のようなものでありましょうか。」



『猟銃』
1949(昭和24)年10月『文学界』へ発表。42歳。
妻、愛人、その娘という三人の女性の手紙によって浮き彫りになる一人の男の姿。十三年に渡る不倫と、人間の業を描く。


初版本、1950(昭和25)年3月、文藝春秋新社、装幀・猪熊弦一郎
「猟銃」「闘牛」「通夜の客」を収録

毎日新聞記者時代に執筆し、佐藤春夫や大佛次郎らの手を経て「文学界」へ掲載。 芥川賞候補作。同時期に書いた「闘牛」により第22回芥川賞を受賞した。同名の詩「猟銃」も執筆している。
1961年、松竹にて映画化。監督・五所平之助、出演・佐分利信、山本富士子、岡田茉莉子ほか。
2011年に舞台化され、2016年4月より再演。主演・中谷美紀。

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