井上靖のことば

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2016.5.8更新


「しろばんば」


「土蔵をかたづけ終った時、洪作は一物もなくなったからっぽの土蔵の中に坐った。おぬい婆さんの死に対して感じたより、からっぽの土蔵の中に坐った時の方が、もっと大きい淋しさを味わった。」






『しろばんば』
1960(昭和35)年1月号~1962(昭和37)年12月号まで『主婦の友』に連載。井上53歳。
日活で映画化され、教科書で長く読まれた作品。


伊豆の天城湯ヶ島で、戸籍上の祖母・かのと暮らす洪作。さまざまな人との出会いや別れを経て、少年は一歩ずつ大人になっていく・・・・・・
中学時代の「夏草冬濤」、浪人時代の「北の海」へと続く自伝的小説。


初版本『しろばんば』、1962(昭和37)年10月、中央公論社
装幀装画・小磯良平


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