井上靖のことば

遺したいことば


   井上靖のことば、詩などの作品を紹介します。
2017.9.4更新


「とりとめない時間」



美術品というのは、ただ見るだけである。こちらが語りかけない限り、いつも黙っている。その替わり、こちらが語りかけて行けば、いくらでも向こうから語りかけて来る。






「とりとめない時間」
1974(昭和49)年5月から翌年年1月まで『毎日新聞』に連載した「わが一期一会」に発表。井上靖67歳。
『井上靖全集第23巻』1997(平成9)年6月、新潮社へ収録。
世田谷の井上邸で長年飾られていた河井寛次郎の壷。
井上が美術記者だった頃、本人からもらった品で、現在は旭川市の井上靖記念館へ書斎・応接とともに移されている。